まよいご

色々なものが
私の前を走っていく

時間が無為に過ぎていくのをどうしてみていられようか？
時間よ、とどまれ、ここに。
時間よ、とどまれ、ここに。
時間が無為に過ぎていく、私はずっと眠っていて気づかないんだ。

精神の時間をとめて
私は安定をはかる
もうすこしで
私のメイニチガクル
精神の時間をとめて
私は安定を謀る
もうすこしで
もうすこしで――
わたしの、めいにちが、くる。
生きていてよかった

死んでればよかった

いきていてヨカッタ

しんでればよかった

死は、安らぎなんかじゃないから。
だけど、生はもっともっと苦しい。
毎日がぐるぐるまわる歯車に巻き込まれて、噛み砕かれないよう
精一杯さ

時計の歯車がはずれて
わたしの時間がとまった
トケイノハグルマガ　ハズレテ
ワタシノ　ジカンガ　トマッタ

あなたの時間も
いっしょにとまっちゃえばよかったんだ。

いっそとまってしまえばいい
わたしはときのまよいご
どこへもいけないまよいご
だからあなたも、とまってしまえばいい
とまってしまえ。
とまってしまえ。
とまってしまえ。
そうしたら、あなたのとまった時間に私はささやくでしょう
――「シンデシマエバ　ミンナ　イイヒト　ダカラ」と。

まよいまよえて
ふらふら歩いて
夜を歩いた
星空と
黄色い月の下で
想い出になるには早過ぎる想い出を
私は反芻して
まよいまよえて
ふらふら歩く。

痛い左腕の傷は
わたしの傷みの証で
赤黒いさびに滲む十字架は
ワタシノ傷みの印で
今ここにいない何処にもいない時間を
さよならした瞬間を
…。

もう私に何も期待しないで
もう私に何もうつさないで
私は人形じゃない
私は鏡じゃない
だから、もう、うつせない。

もらいものの恋は
悲劇的で滑稽なオワリ方をした

精神の時間を停めて
もう少し
停めて停めてとめてとめてとめてとめて…
さよなら、さようなら、
わたしの人生の、何十頁かを占めた、あなた。

だから、………。